クロケット&ジョーンズ(Crockett&Jones)は世界で最も支持を得ているイギリス製靴のブランドのひとつに挙げられます。
イギリスの有名靴ファクトリーが集まるノーザンプトンに工場を持ち伝統的な靴を作っているメーカーですが、今回は小生が所有しております革靴中でも高級な部類に入るそのクロケット&ジョーンズについて、そして代表的な革靴の<フィンズベリー>について紹介させて頂きます。
クロケット&ジョーンズ(Crockett&Jones)とは
1879年にイギリスで最も有名な靴製造の町の中心部にあるノーサンプトン(世界中の靴マニアの方々より革靴の聖地と崇められております)で設立されたクロケット&ジョーンズは、高品質のグッドイヤーウェルトシューズの製造を専門としています。
基本的にすべての靴とブーツは自社グッドイヤー製ですが、スリッポンとドライビングシューズは外注のようです。
クロケット&ジョーンズのフィンズベリー
それでは、小生が所有しておりますクロケット&ジョーンズの靴の一つ【フィンズベリー/Finsbury】をご紹介。
名前の所以はイギリスの地名「Finsbury」(ロンドンの北端に位置する賑やかな商業地区)に因んでいます。(靴の商品名の地名が使われることはよくあります)
今ではこの「フィンズベリー」は残念ながら廃盤になってしまったのですが、王道的なイギリス靴の特徴を踏まえており、小生のお気に入りの一足で10数年来付き合っております。
「フィンズベリー」シューズは、ウイングチップ(翼端)のデザインが基本で、つま先にお洒落にパンチングされたメダリオンを備えたクラシックなフルブローグ・オックスフォードスタイルになります。
アッパーには最高品質のカーフレザー。そしてソールにはシングルレザーソールを使用おります。
内羽根式(オックスフォード)なのでスマートに見えますが、靴全体に施された大小パンチングによってカジュアル感を出しています。
フィンズベリー/クロケット&ジョーンズは、グッドイヤーウェルトシューズなのでソールなどの修理が容易です。
靴というものは履けば履くほど踵部分や靴底が簡単にすり減ってまいります。
特にレザーソールになりますとあれよあれよと数回は履いただけでもつま先が削れてきたりといった経験もあります。また日本は雨も多いので革靴にはよい環境とは言えませんが、それはイギリスでも同様のようです。
最近ではビブラムなどのラバーソール靴も多く出回っておりますので、耐久性が気になられる方はそちらが宜しいかと思います。
小生の場合は、ヒール修理は靴リペア店に持ち込んだり駅近のミスターミニッツなどに持ち込んだりと然程こだわりはありません。なぜなら、どうも歩き方が悪いせいで踵の両側が著しく減ってくるので頻繫に修理に出すからです。
「背に腹は代えられず」といったところですね。
クロケット&ジョーンズのラストNO.341
フィンズベリーのラストはNo.341。
ラスト(LAST)とは?
ラストとは靴を作るときの「木型」「足型」のこと。
ラストは靴の形を作る上での原型・靴のデザインなどを決めるとても重要なものです。
各靴メーカーはオリジナルラスト=木型をもっていて、履き心地やデザインはその様々なラストによって決まってまいります。
クロケット&ジョーンズのラストNo.341は2003年12月に作られました。
ラスト341は、ミディアムラウンドトゥの多目的なトラディショナルなコレクションラストで、フォーマルビジネスにもスマートカジュアルにもに合う優れたラストであると思っております。
フィンズベリーのサイズ感
クロケット&ジョーンズ/フィンズベリーのサイズ感のお話。
私の足のサイズは25.5センチですので、ヨーロッパサイズで7を選べば大概がジャストサイズで丁度いい。
そして60才間近の小生が最近靴で思うところは、コンフォート(Comfort)=履き心地かなっと思います。
こちらのフィンズベリーのフィッティングはEなので然程窮屈には感じませんが、暫くアメリカ靴をメインに履いてきていたのでやはり比べると狭い。
なにぶんイギリスやヨーロッパの靴はワイズ(足囲)が狭いので窮屈に感じますね。
今の私のカジュアルファッションを考えますと、この靴「トウが少々長すぎる」「ワイズは狭すぎる」なども思いもあります。スマート過ぎる!
まとめ
クロケット&ジョーンズのフィンズベリーを履き込んでかなり経ちますが、やはり特別な靴として大切にしております。
大事過ぎて出番が少なくなっていますのも事実でありますが、「履いてなんぼ?」の世界でありますので、この秋から積極的に表に出そうと思っております。
折しもビジネスカジュアル全盛期でありますので、今までスーツには黒い革靴といったスタイルがお決まりでしたがチノパンやスラックスジーンズでもこちらのフィンズベリーは似合います。コーデュロイのパンツもお似合いですね。
イギリス靴の遺産としてクロケット&ジョーンズ。この秋から出動回数が多くなることでしょう。
そして完璧なバランスのラストNO.341で町を闊歩致します。